フランス革命の勃発は兵器の分野では、格段の進歩をもたらしたわけではない。兵士たちが手にしていたのは、従来のフリントロック式(火打ち石)小銃や、真鍮製の大砲であって、かなり以前からほとんど改良されていなかった。刀剣のたぐいや槍などは中世以前から使われてきたものである。

一方で戦争は次世代の技術・アイディアの開発意欲を大いに促した。 有名なR・フルトンが蒸気船(1803)や潜水艇を発明したのはこの時期であるし、1807年にA・フォーサイスが発明したパーカッションロック(管打ち式) や、1812年にポーリーが発明した実包(雷管・弾丸・火薬が一体となり、油紙製の薬莢により包まれたもの) などは、現代銃の基本構造である、金属製薬莢・ピン打ち式・後装式銃へと発展している。
しかし幾つかの技術的理由で、これらが実用に耐えうるようになるのは半世紀後でナポレオン戦争で使用されることはほとんどなかったが、”国民戦争”という新スタイルが、軍需産業と産業革命を育んだことは言うまでもない。

この項では、兵器の概要と代表例をいくつか記述し、解説する。